2006/05/07

国家の品格

国家の品格を読み終えて、概要と感想を記しておきます。

藤原氏はこの書籍の前半で、3つの否定を提示しています。

(1)市場原理主義の否定

  • 市場原理主義は、ウィナー・テイクス・オール。これは武士道から見ると、卑怯。強者が弱者をやっつけるのは、卑怯である。

(2)論理の否定

  • 論理の限界
  • 最も大事なことは論理では説明できない。「人を殺してはならない」という理由は論理だけでは、説明できない。
  • 会津藩の教えを挙げて、教育にはある程度、論理を抜きに。
  • 論理には出発点が必要。出発点は仮説。仮説を選択するのは情緒。情緒力が無くて論理的な人が一番困る。
  • 論理は長くありえない。風が吹けば桶屋が儲かるといった、長い論理は、現実社会では途中で破綻する

(3)自由、平等、民主主義の否定

  • 国民は永遠に成熟しない。国を動かすには、真のエリートが必要。真のエリートの条件は下記の2つ。
  1. 文学、哲学、歴史、芸術、科学といった教養をたっぷりと身につけて、庶民とは比較にならない圧倒的な大局観や総合判断力を持っていること
  2. いざとなれば、国家、国民のために喜んで命を捨てる気概があること

つまり、明治以降の日本が取り入れて来た欧米流を一旦、否定するところから、氏の考えがはじまり、その後の、日本に関する思いに繋がります。

  • 日本らしさとは情緒と形の文化。
  • 情緒は豊かな自然から生まれた。虫の音に芸術性を感じる感性は、欧米は勿論、中国、インドにも無い。また、「もののあわれ」という侘び寂びは英訳できていない。
  • 祖国愛とは、ナショナリズムではなく、パトリオティズム。ナショナリズムは国益主義、パトリオティズムとは、自国の文化、伝統、情緒、自然を愛する心。

そして、最後にこれからの日本について、先に挙げたエリートの必要性を説いて締めくくっています。

天才を生む土壌には3つの特徴がある。
1.美の存在
2.跪く心
3.精神性を尊ぶ風土
日本はこの3つの条件を備えている。これからの日本にはエリートが必要。

かなり主観に寄った記述ではありますが、諸外国、特に近隣との関係が揺れているこのタイミングに、この書籍が発表され、話題になっているということは、いいことだと思います。
単純に、過去、特に戦前は悪、そして現在あるいは戦後は善としてきた、価値観が揺れる切っ掛けになるのではないかと考えています。

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2005/03/20

日経ビジネスAssocie 日記&ブログ術

日経ビジネスAssocieの4月5日号に、日記やブログを、目標実現のための重要なツールだと紹介しています。

小林尚氏(パイオニア専務)談
第一に、行動を記録し、読み返すことで、キチンと反省することが出来る。いわば「自己認識力」の精度があがる。 (中略) 毎年、念頭にその年の目標を記している。 (中略) この7つの目標を達成するためにさらに細かなチェック項目を別のページに書き出している。その項目に沿って毎月採点することで、自分を成長させることが出来る。

鹿島茂氏(仏文学者・作家)談
読書の効果を最大限にするためには、読書日記をつけるのが一番。心に響いた箇所を引用し、折に触れてこれを読み返せば、自分でも思ってもみなかったような体験ができる。


イエローハットの鍵山秀三郎氏が、掃除を大事なこととしてい位置づけているのと、同じことを述べているように感じます。つまり、何かことを為すにあたって、行動の前に目標設定がある。そして、行動する。行動した結果、何らかの結果が生じる。しかし、ことはそこで終わりではない。必ず、したことに対して、後始末というものが必要なはず。
その後始末というのが、心の働きに於いては、日記であるだろうし、具体的な外部に向かっての行為であれば、掃除である。
そんな関連性があるように感じます。

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2004/10/11

人を輝かせ、組織を活性化させる

致知11月号に、大変参考になる対談記事があったので、記しておきます。

ガイアの夜明けで一躍脚光を浴びることになった、福助の社長 藤巻幸夫氏と、同じくザ・ボディショップを再建された蟹瀬令子氏の対談です。
偶然にもお二人は上智大学の出身で、傾いた企業の建て直しを社長として担っているのですが、この対談の中でお二人の共通点が非常に多いことに驚かされます。


テーマ「人を輝かせ、組織を活性化させる」

対談者

藤巻 幸夫 福助社長


昭和57年上智大学卒業後、伊勢丹入社。平成元年米国バーニーズに出向。帰国後「解放区」で成功を収める。12年退社後、ファッションメーカー等を経て15年、民事再生法適用の福助の社長に迎えられ再建中。

蟹瀬 令子 ザ・ボディショップ・ジャパン社長


昭和50年上智大学卒業後、博報堂入社。62年米国ミシガン大学に留学。帰国後、主任研究員、コピーディレクターを歴任。平成5年独立してケイ・アソシエイツ設立。11年イオン名誉会長岡田卓也から請われて、ザ・ボディショップ・ジャパンを社長として再建。

 

共通点

・大企業の楽なポジションに甘んじない。
 藤巻はバックの専門店キタムラを飛び出し、蟹瀬は博報堂を飛び出した。

・前例のないことに挑戦して成功を収めている。
 藤巻は伊勢丹時代に百貨店としては珍しい完全買取制の「解放区」を成功させ、蟹瀬は自然は化粧品「オリジンズ」を成功(夕方3時間で600万円の売り上げ。奇しくも売り場は伊勢丹。)させた。

・請われて社長に納まった。
 藤巻は投資会社からヘッドハンティングされ、蟹瀬はイオングループの岡田卓也に依頼された。

・社長を引き受ける条件。
 藤巻も蟹瀬も、本社移転が社長を引き受ける条件に入っていた。

・組織が一枚岩になることを第一とする。
 藤巻が本社移転を望んだ理由は、ワンフロアに社員を集めること。
 蟹瀬は営業とマーケティングの責任の擦り付け合いを見て「一枚岩になれないなら外れてください」と役員ですらクビにした。

・社員一人一人と個人面談をして組織改革を行った。
 藤巻は本社の社員300人と面談し、入り組んだ組織を営業と企画と製造の三本柱にして一元管理するようにした。
 蟹瀬は本社社員全員と個人面談をして、これまでの仕事の話と、この会社でどういうキャリアを積みたいのか、どんなプロフェッショナルになりたいのかを話し合って、内示も無く大幅な人事異動を敢行した。

・社用車を廃止した。
 藤巻はタクシーチケット、交際費を廃止するのと同時に、自らの社用車を廃止した。
 蟹瀬はイオンから社用車を使っても良いと言われたが、財務諸表を見て、断った。

・一時が万事。
 藤巻は社長となっても書類の不備やちょっとした不良品を見つけて、部下を叱り付ける毎日。
  蟹瀬は一時間の講演を頼まれると、六時間喋って、四時間話せる準備をして、鏡を見ながら録音して、原稿を読み直して、やっと自身を持って講演をする。

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2004/10/04

すごいやり方

友人から借りた面白い本を読み終えましたので、その概要を記しておきます。

ひとつひとつの節はたったの2ページ。シンプルな構成なので、どこからでも読めていつでも休むことが出来ます。

まず前書きにこの本の使い方として、以下の4点をあげています。

1. まず「すごいやりかた」どおりに一字一句変えずにやってみる。
2. 実際に、まず使ってみて、うまくいったらひとにもやってみる。
3. うまく行かないときは、うまく行かない理由を探すのをやめ、どうしたらうまくいくか考える。
4. 決して急がない。

つまり、この本は一人が読んで一人で使うものじゃなくて、友達と共有して使うことを提案しています。こんな言葉をお互いかけあうことで、お互いをいい意味で刺激しあえるのです。

いま、うまくいっていることはなに?
5秒で答えを出してみて
泣いてもいいよ
ヤバイ話をしてみない?
いますぐそれをやってみない?
深刻と真剣の違いはなに?
「どうすれば○○できるんだろう」って言ってみて。
そんなことされると悲しい。
言っていることはわかった。でどうすればいいの?
どんあ応援があればそれができる?
声のでかいひとにも負けない。
パンツをはく早さは10点満点でいま何点?
尊敬する人が見ていたらなんて言うかな?
今度電話するね。
人の考えって素直に聞けない。
今までの経験からして、それ本当にやる?
みんな自分の責任じゃないと思ってる。
がまんはもういいや。
はぁ、わかりました(Fuck you)。
くだらないアイディアを5つ言ってみて。
それやるんだ。いつ?
今週のすすみ具合はどう?
正しい答えを出そうとしていない?
悩んだら質問で解決する
1年後私はどうなっていたい?
あ、いま、ちょっとむかついた。
これに懲りずにまたやろう。
そのとき、私は燃えていた。
ここぞというとき、わがままになれる?
いま、言わなかったことはなに?
この目標、思い切ってやめにしない?

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2004/07/26

三浦雄一郎の冒険論

今日の日経新聞に、三浦雄一郎さんの記事がありました。

酸素は地上の三分の一。エベレストの山頂では二十歳の若者が九十歳の肉体年齢になると言われています。 となると私は百四十歳。果たして生きてられるのか。

エベレスト登頂世界最高齢記録を達成した男は、意外にも慎重派でした。

私は一見、豪放かいらく、無鉄砲で命知らずにみられますが、実際は臆病で慎重で体も強くありません。 (中略) 一瞬の成功にかける準備の時間は惜しみません。

何度かTVや雑誌でその表情を見たことがありますが、気負いもなく、背伸びもなく、ただまっすぐに前を見ている、そんな目をしていたのが印象的です。
そして、この記事は、最後にこう締めくくっています。

冒険に必要なのは忍耐であって勇気じゃない、とつくづく感じています。

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